誠に申し訳ございませんでした
誠に申し訳ありませんでした
長らく更新ができなかったことをお詫びします
PCが死んでまして、ようやく解決いたしました
パソコンも新たにノートが加わり、これからもがんばっていきたいです
しかし、4月6日から学生寮に入るため、GWまでは更新ができなくなってしまうと思います
私情での更新停滞を深くお詫び申し上げます
こんな管理人でよろしければこれからもよろしくお願いします
リトロカ更新です
長らく更新ができなかったことをお詫びします
PCが死んでまして、ようやく解決いたしました
パソコンも新たにノートが加わり、これからもがんばっていきたいです
しかし、4月6日から学生寮に入るため、GWまでは更新ができなくなってしまうと思います
私情での更新停滞を深くお詫び申し上げます
こんな管理人でよろしければこれからもよろしくお願いします
リトロカ更新です
「夜に練習できないってのがネックだな」
「確かにそうだが…しかし夜に練習できる場所もないしな……」
「ふっ……ふっ……」
「でも放課後だけじゃ時間が足りないよ?」
「にゃ~…こら、くすぐったいぞ……」
男3人はみかん箱を囲み、真人は例に漏れず筋トレ中だ。鈴は僕のベッドの上で猫と戯れている。
「問題は山積していると言わざるを得まい……」
「とはいえ、解決策がないのも確かだ」
「楽器が大きいからね……僕らだけなら部屋で出来ない事もないだろうけど……」
「要するに、筋肉の出番だな!!」
「何を要したのか非常に気になるね」
いつの間にか真人が筋トレを終えて会議に参加していた。言っている事は的外れどころか隣の隣のレーンでストライクを叩き出している感じだったが。
「だからよぅ…なんつーかこう……な!?」
「そのフリはあんまりだと思うよ……」
「さすがの俺でも話が見えねぇぜ…」
「所詮真人だ」
的を射てるよ、謙吾。
「バカだな」
猫と遊ぶのを止めた鈴が僕の隣に座った。
「うっせ――よ!!広くて誰にも文句を言われないような場所を探しゃあいいんだろ!?」
「うん、今それがどこか悩んでいるところだったよ」
「やっぱバカだ」
鈴の冷静な指摘。フォローの入れようがない程に的確だった。
「そこまで言うからには、何か案があるんだろうな?」
「へっ……この俺を、誰だと思ってやがる……」
「ただのバカ」
「出鼻を挫くんじゃねぇよっ!!」
真人が『出鼻を挫く』という言葉を知っていたなんて!?
「俺は今、少し真人を見直したぞ……」
「奇遇だね、僕もだよ……」
「せいてんのへきれきだ」
「ところで鈴、そのことわざ、使いどころが違うよ」
「なにぃ!?」
「いつまでも話が進まねぇじゃねぇかよ!!」
珍しく真人がツッコミに回っている。
「すまんすまん。で?どこがあるって言うんだ?」
「合宿さ」
「「は?」」
「全員で外泊届けを出して、筋肉合宿と洒落込もうぜ!!」
誰もついて行けていなかった。
「よっしゃ―――!!テンション上がってきた――――!!」
「いやっほ――――う!!」
前言撤回、謙吾がついて行った!!
「合宿か……確かに燃えるな」
「恭介!?(きょーすけ!?)」
珍しく鈴と綺麗にハモった。
「よし!!野郎共、合宿だ!!!」
「「いやっっほ―――う!!!」」
「ちょっと待ってよ恭介!!」
「何だ、理樹?不満でもあるのか?」
「おおありじゃぼけぇ!!」
叫ぶ鈴の気持ちはよく分かる。僕も今、同じ思いを抱いているから。
「まず時間!そして場所!ついでに許可!連休でもないんだから、僕たちみたいな問題児集団がまとめて外泊届けを出しても受理されないよっ!!」
「さすがは理樹だな、バカ3人とはちがう」
「ありがと、鈴」
鈴に感心された。幼馴染でもやっぱり褒められるとそれなりに嬉しいよね、うん。
「俺たちって問題児なのか!?」
「なんだとぅ!?」
「何故だ!?こんなに筋肉を愛し敬っているこの俺が!?」
「そこまで無自覚だと、最早清清しいよ……」
自覚がないって恐ろしい……
「許可は理樹と二木でどうにかできるだろ?」
「時間と場所は?」
あれだけの音だ。夜は間違いなく迷惑になるだろうから、よほど人里離れた山奥か防音設備がしっかりしてないといけない。
「む……やっぱ無理があるか……?」
「それより真面目に練習しようよ……」
「武道にも共通するが、やはり基本に忠実に練習するのが最良だということだろうな」
「謙吾の言う通りだよ!!」
「うおぉ!!ジェラシィィ―――!!」
真人が自らの髪の毛を毟っている!!
「止めてよ真人!!このままだとハゲちゃうよ!?」
「はっ!?ひゅー、危ねぇ危ねぇ……危うくハゲマッチョになっちまうところだったぜ……」
「元々マッチョだけどね」
「照れるぜ」
「キモイ」
「うわあぁぁぁぁぁああ!!」
真人が床をゴロゴロと転がる。正直邪魔だ。謙吾が古雑誌を丸めてもぐら叩きよろしく真人の頭を狙う!鈴もキックで便乗していた。
「なかなか当たらないものだな」
「ふっ!甘いぜ謙吾ぉ!!その程度で俺を狙うなんて百年早ごぶふっ!!?」
転がりすぎてベッドの脚に後頭部を強打し、悶絶。
「馬鹿だな」
「バカだ」
「総じて言うと――」
全員が動きを一旦停止して恭介の方を見る。
「――全て等しくミッションさ」
「言うと思ったよ!!」
「バカばっかりだな」
そうして夜は更けていく……
「放課後だ!!」
HRの終了後、いつものように恭介は颯爽と窓から登場した。
「教室がたまたま真上だったからいいけどさ、もしも教室が離れてたらどうやって来るつもりだったの?」
「そしたら、真上の教室に移動して降りてくるさ」
「普通に廊下を来るという選択肢は?」
「ないな。窓からだ」
そこは譲れないらしい。
「何故かって?そっちの方がカッコいいからさ!」
「バカだな」
そうだね鈴。でもね、まず訊いてないからね?
「ああ馬鹿さ、馬鹿でいいじゃないか!!一度きりの人生、馬鹿じゃなきゃ楽しめないぜ?」
「恭介は楽しそうだね、人生」
「ああ!楽しいぜ!!」
皮肉を言ってみたつもりだったけど、効果は無かったようだ。
「まあ、馬鹿であることは認めているがな」
「馬鹿をしないリトルバスターズなんて、らしくないだろ?つーか存在意義が無いじゃねぇか。だから俺は俺であり続けるために、リトルバスターズであり続けるために馬鹿をしてやるぜ!!」
「凄く説得力はありますけど、言っている事はただの馬鹿ですわね」
「はっはっは!楽しければいいじゃないか!!」
ねじのぶっ飛んだ謙吾も高らかに馬鹿宣言。
「そうですヨ!楽しくなきゃ人生じゃない!!」
「可愛いは正義だ」
ついでに葉留佳さんと来ヶ谷さん……は微妙な気もするけど……も便乗。
「みんな一緒なら楽しいね~」
「ですわね」
「なのですっ」
「まあ、悪い気はしません。不本意ですが」
「そう言うな、西園。フレンドシップ、みんな仲良くだ」
みんながいるから何をしても楽しいんだ。
「さて、今日もみんなで練習だ!」
『おー!!』
駆ける。この生まれ落ちた世界を、真っ直ぐに。
「謙吾!競争だ!!」
「受けて立つ!!」
「勝負ですわ!棗鈴!!」
「いいだろう…」
二組が廊下を爆走して行く。
「元気ですネ~」
「それだけが取柄の様な奴らだからな」
「恭介も何気にひどいね……」
「あーっはっはっは!」
すぐ隣で笑い声が!!
「急にどうしたの?沙耶さん?」
「何かさっきから私薄くない……?」
「ボケが多すぎるのよ」
佳奈多さん……分かってくれる……?
「あれ?来ヶ谷さんは?」
「ここにいるぞ」
「うわっ!?急に現れないでよ!」
すぐ隣にいた。
「それより後ろを見てみたまえ」
言われた通りに後ろを見ると……
「まってくださはぁ~い!」
「わふー!」
とてとて音が鳴りそうな走り方で二人が追いかけてきていた。
「実に萌えると思わないか?少年よ」
「とりあえず来ヶ谷さんは病院に行った方がいいと思うよ」
「心外だな君は」
実に不服そうである。僕の方が不服だ。
「あまり急ぐと転びますよ」
「ほわあっ!?」
「わふーっ!?」
滑った小毬さんに巻き込まれるようにクドが転び、二人で地面に倒れ伏した。
「だから言ったんです」
「む…無念なりぃ~……」
呆れ顔の西園さんは悠々と歩いている。元々走る気はないらしい。
「なんか床が滑るよぉ~……」
「すまないな、走っている時に練乳を零してしまったようだ。お詫びと言っては何だが、綺麗に舐め取ってやろう」
目が本気だ!っていうか何故練乳を所持しているの!?絶対確信犯だよね!?
「ちなみに確信犯とは、宗教や道徳などの面から自己が正しいと判断して行った犯罪、というのが本来の意味ですから、直枝さんの使い方は間違いです」
「地の文を読まないでよ!!」
「ですが最近は直枝さんのように間違った意味で覚えている人も多いですから、悪いと知りつつ敢えて行うという俗的な意味が認可されつつあります。この機会にしっかりと覚えてくださいね」
「ありがとう西園さん……」
どうやら僕の話は聞く気がないようだ。
「それよりもお二人が貞操の危機です」
「ああっ!?」
美女と野獣の構図だ!?
「よいではないかよいではないか」
「わふ…!?」
「ひゃあぁ…!?」
迫り来る危機。二人は最後の防衛本能で抱き合って壁際に……
「って来ヶ谷さん!!それ以上は道徳的にも法律的にもダメ、ゼッタイ!!」
「絶対ダメか?」
「駄目!!」
変な物を見る目で見られているけど無視!
「黙っていれば美少女同士の目合いを心行くまで堪能できたというのに……まったく少年は度し難いな……なあ、西園女史?」
「まったくです」
おかしいのは僕なんでしょうか……?
「……あのう」
「何?小毬さん」
「みんな行っちゃいましたよ~……」
「先に行ってるぞ、少年」
「失礼します」
「諸悪の根源がそれ!?」
颯爽と去っていく来ヶ谷さんと、その後を幽霊のように歩いていく西園さんであった。
「とりあえず……大丈夫?」
「だいじょ~ぶ」
「大丈夫です」
二人とも特に怪我はないらしい。
「じゃ、みんなを追いかけようか」
「急ぎましょ~!ダッシュだよ、クーちゃん!!」
「はいっ!!」
「待って!床がまだ……」
来ヶ谷さんの練乳があったはず!
「ほわぁっ!?」
「わふー!?」
時すでに遅し、数分前の再現が起きていた。
これからも遥かナ月をよろしくお願いします
「確かにそうだが…しかし夜に練習できる場所もないしな……」
「ふっ……ふっ……」
「でも放課後だけじゃ時間が足りないよ?」
「にゃ~…こら、くすぐったいぞ……」
男3人はみかん箱を囲み、真人は例に漏れず筋トレ中だ。鈴は僕のベッドの上で猫と戯れている。
「問題は山積していると言わざるを得まい……」
「とはいえ、解決策がないのも確かだ」
「楽器が大きいからね……僕らだけなら部屋で出来ない事もないだろうけど……」
「要するに、筋肉の出番だな!!」
「何を要したのか非常に気になるね」
いつの間にか真人が筋トレを終えて会議に参加していた。言っている事は的外れどころか隣の隣のレーンでストライクを叩き出している感じだったが。
「だからよぅ…なんつーかこう……な!?」
「そのフリはあんまりだと思うよ……」
「さすがの俺でも話が見えねぇぜ…」
「所詮真人だ」
的を射てるよ、謙吾。
「バカだな」
猫と遊ぶのを止めた鈴が僕の隣に座った。
「うっせ――よ!!広くて誰にも文句を言われないような場所を探しゃあいいんだろ!?」
「うん、今それがどこか悩んでいるところだったよ」
「やっぱバカだ」
鈴の冷静な指摘。フォローの入れようがない程に的確だった。
「そこまで言うからには、何か案があるんだろうな?」
「へっ……この俺を、誰だと思ってやがる……」
「ただのバカ」
「出鼻を挫くんじゃねぇよっ!!」
真人が『出鼻を挫く』という言葉を知っていたなんて!?
「俺は今、少し真人を見直したぞ……」
「奇遇だね、僕もだよ……」
「せいてんのへきれきだ」
「ところで鈴、そのことわざ、使いどころが違うよ」
「なにぃ!?」
「いつまでも話が進まねぇじゃねぇかよ!!」
珍しく真人がツッコミに回っている。
「すまんすまん。で?どこがあるって言うんだ?」
「合宿さ」
「「は?」」
「全員で外泊届けを出して、筋肉合宿と洒落込もうぜ!!」
誰もついて行けていなかった。
「よっしゃ―――!!テンション上がってきた――――!!」
「いやっほ――――う!!」
前言撤回、謙吾がついて行った!!
「合宿か……確かに燃えるな」
「恭介!?(きょーすけ!?)」
珍しく鈴と綺麗にハモった。
「よし!!野郎共、合宿だ!!!」
「「いやっっほ―――う!!!」」
「ちょっと待ってよ恭介!!」
「何だ、理樹?不満でもあるのか?」
「おおありじゃぼけぇ!!」
叫ぶ鈴の気持ちはよく分かる。僕も今、同じ思いを抱いているから。
「まず時間!そして場所!ついでに許可!連休でもないんだから、僕たちみたいな問題児集団がまとめて外泊届けを出しても受理されないよっ!!」
「さすがは理樹だな、バカ3人とはちがう」
「ありがと、鈴」
鈴に感心された。幼馴染でもやっぱり褒められるとそれなりに嬉しいよね、うん。
「俺たちって問題児なのか!?」
「なんだとぅ!?」
「何故だ!?こんなに筋肉を愛し敬っているこの俺が!?」
「そこまで無自覚だと、最早清清しいよ……」
自覚がないって恐ろしい……
「許可は理樹と二木でどうにかできるだろ?」
「時間と場所は?」
あれだけの音だ。夜は間違いなく迷惑になるだろうから、よほど人里離れた山奥か防音設備がしっかりしてないといけない。
「む……やっぱ無理があるか……?」
「それより真面目に練習しようよ……」
「武道にも共通するが、やはり基本に忠実に練習するのが最良だということだろうな」
「謙吾の言う通りだよ!!」
「うおぉ!!ジェラシィィ―――!!」
真人が自らの髪の毛を毟っている!!
「止めてよ真人!!このままだとハゲちゃうよ!?」
「はっ!?ひゅー、危ねぇ危ねぇ……危うくハゲマッチョになっちまうところだったぜ……」
「元々マッチョだけどね」
「照れるぜ」
「キモイ」
「うわあぁぁぁぁぁああ!!」
真人が床をゴロゴロと転がる。正直邪魔だ。謙吾が古雑誌を丸めてもぐら叩きよろしく真人の頭を狙う!鈴もキックで便乗していた。
「なかなか当たらないものだな」
「ふっ!甘いぜ謙吾ぉ!!その程度で俺を狙うなんて百年早ごぶふっ!!?」
転がりすぎてベッドの脚に後頭部を強打し、悶絶。
「馬鹿だな」
「バカだ」
「総じて言うと――」
全員が動きを一旦停止して恭介の方を見る。
「――全て等しくミッションさ」
「言うと思ったよ!!」
「バカばっかりだな」
そうして夜は更けていく……
「放課後だ!!」
HRの終了後、いつものように恭介は颯爽と窓から登場した。
「教室がたまたま真上だったからいいけどさ、もしも教室が離れてたらどうやって来るつもりだったの?」
「そしたら、真上の教室に移動して降りてくるさ」
「普通に廊下を来るという選択肢は?」
「ないな。窓からだ」
そこは譲れないらしい。
「何故かって?そっちの方がカッコいいからさ!」
「バカだな」
そうだね鈴。でもね、まず訊いてないからね?
「ああ馬鹿さ、馬鹿でいいじゃないか!!一度きりの人生、馬鹿じゃなきゃ楽しめないぜ?」
「恭介は楽しそうだね、人生」
「ああ!楽しいぜ!!」
皮肉を言ってみたつもりだったけど、効果は無かったようだ。
「まあ、馬鹿であることは認めているがな」
「馬鹿をしないリトルバスターズなんて、らしくないだろ?つーか存在意義が無いじゃねぇか。だから俺は俺であり続けるために、リトルバスターズであり続けるために馬鹿をしてやるぜ!!」
「凄く説得力はありますけど、言っている事はただの馬鹿ですわね」
「はっはっは!楽しければいいじゃないか!!」
ねじのぶっ飛んだ謙吾も高らかに馬鹿宣言。
「そうですヨ!楽しくなきゃ人生じゃない!!」
「可愛いは正義だ」
ついでに葉留佳さんと来ヶ谷さん……は微妙な気もするけど……も便乗。
「みんな一緒なら楽しいね~」
「ですわね」
「なのですっ」
「まあ、悪い気はしません。不本意ですが」
「そう言うな、西園。フレンドシップ、みんな仲良くだ」
みんながいるから何をしても楽しいんだ。
「さて、今日もみんなで練習だ!」
『おー!!』
駆ける。この生まれ落ちた世界を、真っ直ぐに。
「謙吾!競争だ!!」
「受けて立つ!!」
「勝負ですわ!棗鈴!!」
「いいだろう…」
二組が廊下を爆走して行く。
「元気ですネ~」
「それだけが取柄の様な奴らだからな」
「恭介も何気にひどいね……」
「あーっはっはっは!」
すぐ隣で笑い声が!!
「急にどうしたの?沙耶さん?」
「何かさっきから私薄くない……?」
「ボケが多すぎるのよ」
佳奈多さん……分かってくれる……?
「あれ?来ヶ谷さんは?」
「ここにいるぞ」
「うわっ!?急に現れないでよ!」
すぐ隣にいた。
「それより後ろを見てみたまえ」
言われた通りに後ろを見ると……
「まってくださはぁ~い!」
「わふー!」
とてとて音が鳴りそうな走り方で二人が追いかけてきていた。
「実に萌えると思わないか?少年よ」
「とりあえず来ヶ谷さんは病院に行った方がいいと思うよ」
「心外だな君は」
実に不服そうである。僕の方が不服だ。
「あまり急ぐと転びますよ」
「ほわあっ!?」
「わふーっ!?」
滑った小毬さんに巻き込まれるようにクドが転び、二人で地面に倒れ伏した。
「だから言ったんです」
「む…無念なりぃ~……」
呆れ顔の西園さんは悠々と歩いている。元々走る気はないらしい。
「なんか床が滑るよぉ~……」
「すまないな、走っている時に練乳を零してしまったようだ。お詫びと言っては何だが、綺麗に舐め取ってやろう」
目が本気だ!っていうか何故練乳を所持しているの!?絶対確信犯だよね!?
「ちなみに確信犯とは、宗教や道徳などの面から自己が正しいと判断して行った犯罪、というのが本来の意味ですから、直枝さんの使い方は間違いです」
「地の文を読まないでよ!!」
「ですが最近は直枝さんのように間違った意味で覚えている人も多いですから、悪いと知りつつ敢えて行うという俗的な意味が認可されつつあります。この機会にしっかりと覚えてくださいね」
「ありがとう西園さん……」
どうやら僕の話は聞く気がないようだ。
「それよりもお二人が貞操の危機です」
「ああっ!?」
美女と野獣の構図だ!?
「よいではないかよいではないか」
「わふ…!?」
「ひゃあぁ…!?」
迫り来る危機。二人は最後の防衛本能で抱き合って壁際に……
「って来ヶ谷さん!!それ以上は道徳的にも法律的にもダメ、ゼッタイ!!」
「絶対ダメか?」
「駄目!!」
変な物を見る目で見られているけど無視!
「黙っていれば美少女同士の目合いを心行くまで堪能できたというのに……まったく少年は度し難いな……なあ、西園女史?」
「まったくです」
おかしいのは僕なんでしょうか……?
「……あのう」
「何?小毬さん」
「みんな行っちゃいましたよ~……」
「先に行ってるぞ、少年」
「失礼します」
「諸悪の根源がそれ!?」
颯爽と去っていく来ヶ谷さんと、その後を幽霊のように歩いていく西園さんであった。
「とりあえず……大丈夫?」
「だいじょ~ぶ」
「大丈夫です」
二人とも特に怪我はないらしい。
「じゃ、みんなを追いかけようか」
「急ぎましょ~!ダッシュだよ、クーちゃん!!」
「はいっ!!」
「待って!床がまだ……」
来ヶ谷さんの練乳があったはず!
「ほわぁっ!?」
「わふー!?」
時すでに遅し、数分前の再現が起きていた。
これからも遥かナ月をよろしくお願いします
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